2012年7月9日月曜日

客に松竹梅

こうして日々、どうしたら売れるかとか、どんな発信が広告効果があるかなどばかり考えていると、ふと変なツボにはまってしまうことがあります。

たとえば、最近よくある顧客をランク分けする手法。
プラチナ会員だの、ブロンズ会員だの、ようするにいっぱい買ってくれるお客さんには、良い待遇をするというごく当たり前のことのように思えるのですが、私は変なツボにはまった企業の典型的なトンデモサービスだと思います。

というのは、お客さん側からしてみれば、それはポイントやサービス券でも、企業が出せる特典ですから、得られる利益は変わらないはずです。
じゃあ、なぜ、これを大手のソフトバンクや楽天などがこぞってやっているかというと、これをすることで、射幸心を刺激し、より高い販売効果が期待できるからです。

もし、この仕組みを近所の商店街でやったとしたらわかると思います。
隣近所が一緒に利用する商店街では、「隣の奥さんはブロンズ会員なのよ。うちはシルバーだけどね」とか「お宅はプラチナだから、大根がうちより安く買えるのよね」とかなったら、どうでしょう。

たぶん、一時、商店街は、射幸心にかられた人々で活性化するかもしれません。しかし、怒る人もいるでしょう。格付けというのをしてもらってメリットがあるのは、上場企業だけです。
サービスとはいえ、なんでお金を払った企業から、そんな烙印を押されなければならないのでしょう。
プラチナやゴールド、シルバーという言葉は、あくまでも企業側から見たあなたの価値であって、早い話が、和牛につけたA5ランクと同じ意味です。
食う側からの価値であって、それ以外の意味はまったくありません。

そんな失礼などツボサービスを平気で採用してしまう恐ろしさが、ネットにはあるということです。
たぶん、ソフトバンクも楽天も他の企業も悪意はないのでしょう。思慮が足りないだけ・・・。

別にそんなサービス、江戸の昔から考えられてきたことだけは釘をさしておきたいですね。
でも、誰も採用しなかったんです。
商品に松竹梅で差をつけても、客を松竹梅で分けない。

それが日本の文化だったわけです。

私もサービスをひねくりまわして、新たな何かを日々求めているわけですから、ともするとここらへんのトンデモサービスを思いついてしまうことがあります。
ハッとして、あわててこちら側に戻ってくることができるのは、僕が葛飾という下町にいて、人と関わって仕事をしていられるおかげだとつくづく思います。まあ、儲からないけど・・・楽しいですわ。









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